ノソノスキー先生のレガシー死の影講座:実践編
ノソノスキー先生のレガシー死の影講座:実践編
ノソノスキー先生のレガシー死の影講座:実践編
〜色を足したの?どうしたの?〜
Translated by K.Mnosono


やぁ!ノソノスキーだ。また会ったな。みんなエターナルウィークエンドは楽しめたか。俺は最高に楽しかったぜ。マジックはもちろんだが、マジックつながりで増えた仲間たちと再会できたこと、俺のことを忘れずにいてくれたこと、新たな出会いがたくさんあったこと、夜は仲間たちと飲んだくれたこと、その全てが最高だった。(その代償が今日から始まる11連勤なんだが、まぁ安いもんだ・・・)

で、前回死の影デッキについて偉そうにコラムを書いていたあいつがどんな結果だったのかって?


5-5だ。

2-1青白スピリット
2-1カナスレ
1-2グリコン
2-1POSTエルドラ
1-2感染
1-2赤単ペインター
0-2奇跡
2-0ゾンバードメント
0-2グリデル
2-0tin-fin


実に平凡な結果に終わってしまったが、ドロップせずに最後まで駆け抜けたことが俺にとっての大きな財産だ。良い結果を出せれば俺の言葉にももう少し信憑性というものが生まれるのだが、この大会を通じて気づけたこともあったから少しだけ俺の話に耳を傾けてほしいんだ。


【何色の死の影が良いの?】
結局どの死の影デッキを使ったのか。みんなが気になるのはそこんところだろ。各色のメリット・デメリットについては前回を参照してくれ。(https://twitter.com/nosonosaaan/status/1030444154751340544

俺が選んだのは緑をタッチしたBUG死の影だ。残念ながら凶暴化は抜けてしまったから、名前がクールだという利点は失われてしまったけど、このカラーにした理由は大きく2つ。
①メインで詰みになるパターンを減らしたかった。
②サイドの枠を確保したかった。
からだ。

このデッキは『着地=負け』となる置物が多く、メインからよく見かける虚空の杯・罠の橋・基本に帰れ・血染めの月に焦点をあてて、これら全てに対処ができる突然の衰微をメインに採用した。すると、青黒でサイドに取られていたゲスの玉座が不要になるのでサイドの枠が2つも確保できる。死の影デッキはANTとコントロールが苦手だから、俺はその枠に狼狽の嵐と森の知恵を採用した(死の影デッキはコンボに対しては総じて有利なんだがANT、テメーだけはダメだ。ストーム3くらいで死ぬからな)。

これはグリクシスではできない芸当だ。メインにコラガンの命令を取ったとしても、基本に帰れ・血染めの月には対処できない(おまけにコラガンの命令は死の影デッキには少々重すぎる)。そして、サイドに取る赤いカードは恐らく、赤霊破2・削剥2の計4枚だろう。ゲスの玉座の2枠に削剥が入ったとして、どう残りの2枠を捻出するのか、できたとしてもいずれかのデッキに対するサイドが薄くなる結果になるだろう。


あぁ、認めるよ。
この選択は概ね正しかったが、間違っているところもあった。


【死の影デッキの賞味期限とコントロールデッキの変化】
3マナ以下の置物に焦点を当てたのには理由がある。それはこのデッキが、前環境のグリクシスデルバーのようなクロックパーミションでありながら、死儀礼のシャーマンがいない為、中長期戦が苦手なデッキだからだ。どこまでも前のめりに相手のライフを0にすることに全力を注がねばならないが、3マナ以下の置物は目くらましをケアして出されやすいため、対処を迫られる可能性が高い。もちろん、それらの置物が場に出た時にはすでに手遅れの状況を作れれば理想だがそうはいかないこともあるし、飛び道具のないこのデッキでは罠の橋はいつ出たとしても致命的だ。

実際にこの週末は、虚空の杯・罠の橋・基本に帰れ・血染めの月のすべてを見ることとなり、突然の衰微は大活躍したしBUG死の影を選択したことは正しいように思えた。しかしながら、基本に帰れ・血染めの月をケアした場合、突然の衰微を唱えるためにマナを立てる必要があり、展開が遅れてしまうという本末転倒な結果になることもあった。また、奇跡との対戦では基本に帰れに加えてメインからなんと謙虚!まで取られており(F***!!)、サイドのギデオン・Moatを見たときは、まるでケツにツララをぶっ刺されたような気分だったぜ。

…すまない。思い出しただけでちっとばかし熱くなっちまったようだ。

4マナ以上の置物に対しては、基本的には展開させないよう、目くらましをケアできないように、プレッシャーをかけながら戦わねばならないが、基本地形が多く取られているグリコンや奇跡においては、マナ否定戦略が効きづらいこともあり非常に苦しい展開を強いられることとなる。追い詰めたい死の影に対して、うまく距離をとるコントロールという図式が出来上がりつつあり、死の影デッキの立ち位置はより苦しくなると予想される。

青系コントロールが死の影のようなクリーチャーデッキを意識した構築となっていることを考えると、根本的解決にはならないがせめてジェイスに直接触れるグリクシスの方がBUGよりもまだ良い選択となったのかもしれない。また、頑固な否認は獰猛が達成できれば強いが、そもそもコントロールに対してクリーチャを維持することが困難で、目くらましのついでにケアされてしまうことが多かったから、置物対策も兼ねるなら呪文貫きに替えた方が良いように感じた(今なら1マナしかケアしない相手の意表をつけるだろう)。


【ミラーマッチを見据えて】
8/19に行われた直近のLegacy Challengeの結果を見てみよう。
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/legacy-challenge-2018-08-20
上位32のうち、実に7つが青黒死の影デッキで最多となっている。多くのリストはChannelのリストに近似しており、まだお試し段階のプレイヤーが多いのかもしれないが、プロツアー以降ほぼ同じリストで入賞しているプレイヤー(Diem4x、Maheegan001の2人だ)もいる。さらに優勝したのはChannel完コピの青黒死の影デッキであることからも、やはり完成度の高いリストであることがうかがえる。今後はさらにミラーマッチが増えることが予想されるが、死の影はどう変わっていかなければならないだろうか。


まず、各色の死の影デッキ同士の優劣をつけるとどうなると思う?


答えは、青黒≫グリクシス≧BUGだ。

大事なことは青黒が最も強いということだ。これは、現時点では色をタッチした場合に、ミラーマッチにおいて赤と緑を触る利点がほぼなく、マナトラブルというリスクを一方的に抱えることになるからだ。グリクシスは赤霊破が少し有効という点がBUGに若干優っている。突然の衰微は打ち消されない除去として一見有効なようだが、致命的な一押しを目くらましをケアして打つことと大差はない(相手が獰猛を達成している場合には、突然の衰微で良かったと思うこともあるが)。ただ、最近増加しつつあるサイドカードである苦花を多く見るようになれば、BUGの利点がより生きる可能性はある。


次にメインの除去についてだが、殺しは四肢切断に替えよう。デスタクでは1マナでも惜しい場面は確かにあるが、ミラーマッチでアンコウ、死の影に触れなくてママに泣きつくハメになるよりは良いだろう。


最後に、ミラーマッチにおける必殺のサイドボーディングの話だ。
死の影でのコンバットに慣れていないレガシープレイヤーはまだ多く、実際にコンバットミスで試合を拾うことがよくある(それが今の死の影の強さの一端でもある)。そして、ミラーマッチではさらに多くのプレイヤーが頭をかかえるんだ。

ミラーマッチではラストターンまでにより多くのライフを払ったプレイヤーが勝つ。相手のより強大な死の影を前に、

『え、私の死の影弱すぎ!?』

と思ったことはあるだろう。そして、死の影同士の睨み合いになり盤面が膠着することがよくある。相手の6/6の死の影2体を前に、自分の5/5の死の影がモジモジしてしまう。お互いに殴ることのできないよくある光景だ。

だが、この状況を打開し勝利に導くことができる死の影にうってつけのカードがある。
それは、


毒の濁流だ。

ライフを払い相手の死の影を一掃し、自分の死の影のみを場に残すことができる。ライフを払える程度の大きさであることが条件にはなるが、打った方が勝つと言っても過言ではないまさに必殺の一撃になるだろう。全体除去をどれにするか迷っているなら是非試してみてくれ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以上の話を踏まえて、次は画像2枚目の死の影デッキを試してみたいと思う。(どうやらまだBUGの丸さが諦められないようだ。)

死の影デッキはまだまだ発展途上のデッキだが、日本ではグリクシスコントロールや奇跡が多く、ミラーマッチも見据えるとなるとさらに難しい立ち位置になるだろう。こんなコラムを書いてはいるが、俺自身も手探り状態の日々なんだ。
パーマネント対策に、名誉回復・スルタイの魔除けなど友人からも面白いアドバイスをもらったし、謙虚・Moat・ギデオンなど白のパーマネントを憎んでいる俺の元に、興味深いツイートが舞い込んできた(https://twitter.com/Vendilion/status/1031140692125315072ユウタタカハシのツイートだ)。是非このDystopiaも試してみたい。


とりとめのない文章になってしまったが、ここまで読んでくれてありがとう。少しでも参考になれば嬉しく思うよ。

次回は、死の影デッキのサイドボーディングについて書けたらと思う。十分な成果が得られるまでに俺の気力とチケットが溶けなければの話だけどな。何かあれば些細なことでも良い。是非教えてくれ!

ではまた会おう!


モルモル・ノソノスキー

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索